天台寺

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天台寺には仏像や奉納されたものなど多くの貴重な品々が存在し、うち2点が国指定重要文化財、11点が岩手県指定文化財です。
その一部を紹介します。


聖観音立像

国指定重要文化財
高さ116.5cm、桂材、一木造

天台寺の本尊。開山に際して行基が、山中の桂の木を一刀三礼(一彫りするごとに3回礼拝する)にて彫ったとの伝承が残ります。
前面にはあえてノミの彫り跡を残す鉈彫(なたぼり)という技法が用いられていますが、背面は滑らかな仕上げです。
平安中期、11世紀頃の作と推定されています。

現在は本堂裏の収蔵庫内に安置し、本堂内には複製像を納めています。


十一面観音立像

国指定重要文化財
高さ174cm、桂材、一木造

大きさや鉈彫の有無という違いはあるものの、全体の形や顔立ちが聖観音立像と非常に似ているため、同じ仏師が同時期に彫ったものと考えられています。

こちらの像も収蔵庫内に安置されています。


銅鰐口

岩手県指定文化財
面径52.5cm 青銅製

正平18年(1363)、源信行による奉納を示す銘が刻まれています。正平は南北朝時代に南朝で用いられた年号で、18年は北朝の年号でいえば貞治2年に当たります。
「天台寺」の名が確認できる最古の資料であり、この地方を治めていた南部氏との関係を考察する上でも貴重な品です。


長胴太鼓

岩手県指定文化財
面径74.5〜76cm、胴長80cm

残念ながら造立年を示す箇所は削られてしまっていますが、元中9年(1392)に修理を行ったとの銘が刻まれた、国内屈指の古さを誇る長胴太鼓です。


漆絵立花図

岩手県指定文化財
縦181cm、横126.5cm ケヤキ材

正徳6年(1716)、盛岡の商家の父子が絵師に頼んで描かせ、奉納したものと思われます。
色漆で松や梅が華麗に描かれています。

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